第3章 モデル事業 3.事例


(7)徳島大学エル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業報告
徳島大学エル・ネットオープンカレッジモデル事業実施委員会
(徳島大学大学開放実践センター)

 徳島大学エル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業実施委員会では、大学独自収録ならびにインターネット連携したエル・ネット「オープンカレッジ」徳島大学「ホノルルマラソンをインターネット中継しよう!」の開講に関して以下の運営形態により、主として以下の10項目に関する調査研究を行った。
 
1.講座の開催
 
主  催  徳島大学エル・ネットモデル事業実施委員会、徳島県教育委員会

会  場  メイン会場:とくしまITビレッジ、サブ会場:那賀川町科学センター
実施日時  平成15年1月16日(木)、23日(木)、30日(木)
午前10時〜午前11時
講 座 名  ホノルルマラソンをインターネット中継しよう!
1月16日:暮らしをつくるパソコン・インターネット
1月23日:技術に向かう楽しさ
1月30日:インターネットライブ中継システムの構築
講  師  吉田 敦也(徳島大学教授)
内  容  
 徳島大学公開講座「ホノルルマラソンをインターネット中継しよう!」を大学独自収録によりコンテンツ化し、インターネットによる受講者向けeラーニングシステムや、ホームページチャットを用いたリアルタイム質疑応答システムならびに受講生間交流機能等を装備したエル・ネット講座を開講し、地域や生涯学習にどのようなインパクトを与えるか、地域やメディアとの連携のもと調査した。
運営形態  
 徳島大学大学開放実践センターと徳島県教育委員会、那賀川町科学センターにより徳島大学エル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業実施委員会を組織。事務局を徳島大学大学開放実践センター内に設置。事務局が全体企画と運営を、県教育委員会が市町村、エル・ネット受信局に対する指導助言、連絡及び広報、会場設置を担当。
広  報  
 独自の専用Webサイトを構築した。同時に、従来型の方式として、会場及び関係施設にチラシを配布。また、徳島県ホームページに掲載。マスコミに対し、情報提供を行った。
 
2.実施の概要
 徳島大学エルネットオープンカレッジモデル事業実施委員会では、大学独自収録ならびにインターネット連携したエルネットオープンカレッジ徳島大学「ホノルルマラソンをインターネット中継しよう!」の開講に関して以下の10項目を行った。
 
講座専用ホームページの開設とそれによる講座とモデル事業に関する趣旨説明、広報の展開
イーラーニングステージでの予告編の制作と公開
インターネット放送による昨年度講座のオンデマンド提供
テキストと学習資料のホームページを通じた公開
使うこと、体験すること自体が学習内容となる、かつ、講師との即時的質疑応答・ディスカッション・学習交流、ならびに受講者間コミュニケーションが可能なリアルタイム質疑応答システムの設置と運用
受講者と講師との交流、受講者間交流、学習動機づけのためのイベントとして事前練習会の開催
移動局による臨時学習会場の設営
受信会場へ来場困難な受講希望者のためのエルネットオープンカレッジと並行したインターネット放送による同一講座のライブ中継とオンデマンド提供
遠隔受講者のための講座アンケート用紙のホームページによる配布と電子メール回収
継続学習、生涯学習コミュニティ形成を促す自主勉強会「エルネットクラブ徳島」の組織とクラブ帰属意識高揚とエルネット連帯視聴の促進を狙ったエルネット手帳の制作と配布。
 
 
3.講座ホームページ(Webサイト)の開設と予告編
   2002年9月14日、講座専用ホームページの開設・公開した。これを用いて本公開講座とモデル事業に関する趣旨説明、広報の展開を行った。学習のための資料、テキスト、アンケート用紙の公開もこのホームページにて行った。また、オープンカレッジ・イーラーニングステージで制作・公開した予告編、インターネット放送など各種サービスを提供してリンクを張った。
 

講座ホームページ(Webサイト)
   
4.講座ホームページへのアクセス数
   2002年9月より開設した講座ホームページへのアクセス数(ページビュー)を記録した結果を以下に示す。講座ホームページへの月別アクセス数は、講座(3回)が開講された1月には777件を記録した。
 日別にアクセス数を見ると、パソコントラブルによりデータが一部しか残っていないが、第3回目の講座が開講された日には132件のアクセスがあった。
 またアクセス数は開講日の約3日前より漸増することが明らかとなった。このことから、1回目、2回目の受講者もしくは新規受講予定者が、講座の最新情報や、予習のために資料やテキストの更新などを確認、収集するために訪れている可能性が推測できる。
 

9月より2月までの講座ホームページへの月別アクセス数(上段)

第3回目講座の前5日と後1日を含めた日別アクセス数(下段)

  参考までに、2月の日別アクセス状況を以下に示す。講座が終了するとアクセス数は低下するが、少ないながらもアクセスは維持される。このことは、講座終了後にも受講者あるいは受講者グループの学習(自主活動など)にホームページが利用される、講座終了後にもテキストをダウンロードする学習者がいる、講座終了後にもオンデマンドによるインターネット放送(時間非限定の講座再放送)により学習する人がいる、などを示唆するものであり、講座ホームページがエルネット視聴を促進したり、エルネットコミュニティ形成に寄与する学習基盤となる可能性が認められた。
 
2月の日別アクセス状況
   
5.リアルタイム質疑応答システムと練習会
(1)モデル事業実施の成果
   本事業では講座中に講師へ質問しその場で回答やコメントが得られるインターネットチャットによるリアルタイム質疑応答システムを運用した。
 このシステムの利用には、第一に、インターネットに接続したパソコンが使える設備が必要であることから、講座を「とくしまITビレッジ」というIT講習などを行う徳島県の施設(使用料無料)と那賀川町科学センターにて開講した。このうち、メイン会場とした「とくしまITビレッジ」にはエルネット受信設備が無いため、本年度新規開発された「移動式受信装置」を利用した。
 

  第二に、リアルタイム質疑応答システムの利用にはホームページチャットを使った経験がある、もしくは、使える技能が必要である。このため、事前練習会(右写真)を2003年1月11日に同一会場にて開催した。
   
6.受講者数とリアルタイム質疑応答システムの利用状況
   受講者数は第1回(1月16日、10:00-11:00)14名、第2回(1月23日、10:00-11:00)17名、第3回(1月30日、10:00-11:00)22名と少人数の講座であったが、一方で、リアルタイム質疑応答システムによる質疑応答、ディスカッションなどは、受信会場受講者とインターネット放送を視聴しての遠隔参加者とをあわせて活発にまた非常に熱っぽく行われた。
   
 
3回の講座への参加者数と質問・応答回数
 
講義 会場参加数 遠隔参加数 質疑応答者数 質問議論件数 講師解説応答回数
第1回(1/16)
14名
5名
18名
127件
83回
第2回(1/23)
17名
3名
15名
131件
3回
第3回(1/30)
22名
5名
22名
48件
84回
 
第1回講座の様子とリアルタイム質疑応答システムの画面(とくしまITビレッジにて)
   こうした結果から、インターネットによるリアルタイム質疑応答システムは、利用者に一定のパソコンリテラシーを要求するシステムではあるが、エルネットオープンカレッジでの学習を活性化させることに効果的にあることが示された。パソコン・インターネット初心者のため、操作性を改良し、より簡単なインタフェースを提供することはもちろんであるが、システムを利用すること自体が学習内容となること、また、そうした講義中の質疑応答、議論、トークなどにより、学習者と講師、学習者と学習者との交流、懇親、学習仲間意識が進行し、生涯学習への動機づけ、継続学習への意欲に影響する可能性も認められた。
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リアルタイム質疑応答システムによるオンライン対話の内容例
(1月23日第2回講義中の一部、順番を改変)
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N 鵄雄 > おはようございます。よろしくお願いします。職場からです。 - 1/23 10:0 -
O 益生 > おはようごさいます。初めての参加です。よろしくお願いします。 - 1/23 10:0 -
I 晴美 > 今日始めて参加しました。よろしく。 - 1/23 10:1 -
M ツル子> 岸艶子さんおひさしぶりです。よろしくお願いします - 1/23 10:1 ?
K 艶子 > 森さんおはようございます。どちらからの参加ですか? - 1/23 10:4 -
N 女性 > 画面のPCの大きさと先生の体を小さくしての合成はどうして作るのだろうと興味津津です - 1/23 10:4 ?
吉田敦也> 【A】画面の合成はクロマキーという方法でやります>【Q】野口さんの - 1/23 10:8 -
N 女性 > 挑戦してみたいですね>先生 - 1/23 10:9 -
吉田敦也> クロマキーはエルネットクラブの演習にしましょう>【談話】野口さん - 1/23 10:10 -
S 裕次 > バイオスの日本語版はないいんですか。 - 1/23 10:36 -
吉田敦也> 【A】BIOS(バイオス)の日本語版はありません>【Q】清水さん - 1/23 10:41 -
O 益生 > 私も組み立て講座に参加したいです。 - 1/23 10:36 ?
吉田敦也> でも組み立てって、安くないですよ>【談話】尾崎さん - 1/23 10:38 -]
O 益生 > えっ 友人は自分で組み立てると安くできると言っていましたけど>吉田先生 - 1/23 10:40 -
N 秀治 > 徳島でのインターネットカフエは何処にありますか? - 1/23 10:37 -
K 梓 > 新町のアーケード街にあります。前、100均ショップだったところの近くです。>西木さん - 1/23 10:39 -
N 秀治 > 河内さん、ありがとうございあした。 - 1/23 10:41 -
I 晴美 > こんな素晴らしい会ゎ初めてです。 - 1/23 10:40 -
N 玲子 > ノンリニアって何ですか、??? - 1/23 10:58 -
吉田敦也> 【A】ノンリニア=not リニア(線=アナログのテープ)>【Q】中西さん - 1/23 11:1 ?
spring > お世話になりました。スタッフのみなさま。 - 1/23 11:19 -
O 女性 > わ〜どうしょう・・憶えてないよ!!>先生、野口さん - 1/23 11:19 -
N 鵄雄 > 来週は会場へ行きます。失礼します。 - 1/23 11:19 -
S 裕次 > 有り難うございました。 - 1/23 11:20 -
O 益生 > 面白かったです。ありがとうございました。 - 1/23 11:20 -
S 和恵 > ビデオ編集大変勉強になりました。早く実行に移せるように無理せずがんばります。- 1/23 11:20 -
I 晴美 > さっつぱり判りませんでした。残念でした。 - 1/23 11:12 -
吉田敦也> すいません>【お詫び】乾さん - 1/23 11:12 ?
I 晴美 > 勉強してからこなんだらあかんことがわかっつた。岸さんまた教えてね。 - 1/23 11:20 -
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7.エルネット衛星放送のインターネット放送
   本事業では、あらかじめ収録(大学独自収録)した衛星放送用テープと、それをストリーム化したインターネット放送用データファイルの両方を用意し、指定日にオンエアすると同時に、インターネット放送した。また、放送日以降、そのコンテンツをオンデマンド利用できるようした。オンデマンド型のコンテンツには現在のところ数件のレベルではあるが日常的な利用がある。また、学習に利用したというようなメールが届くときもあり、意義が認められた。
   
8.移動局による臨時学習会場の設営
   本事業では、エルネット受信設備の無いIT講習用無料施設をメイン会場に用いたことから、移動式受信装置をメーカーの協力を得て利用した。パラボラアンテナの方位合わせには経験と慣れが必要かと思われたが、組み立ては簡単。エルネットの利用促進、オープンカレッジの受講拡大に威力を発揮すると感じられた。本装置の組み立て、利用の様子は読売新聞(徳島県版)と徳島新聞にて取り上げられた。
  エルネット移動受信装置と興味深く 設置に協力してくださった受講者
 
 

平成15年1月17日徳島新聞
(第1回講座翌日に掲載された)
   
9.エルネットクラブ徳島の結成
   エルネットオープンカレッジの講座内容にてデジタルビデオ編集を取り扱ったことをきっかけに、ノンリニア編集の学習を継続したいという強い希望が受講者からあがり、エルネットクラブ徳島という自主勉強会を組織した。第3回講座終了後に、20名(男性6名、女性14名)が集まり、毎月1回の自主的なパソコン・インターネットとデジタルビデオ編集のグループ学習を行い、エルネット放送へのコンテンツになるような市民による教育映像教材づくりに挑戦することにした。クラブへの帰属意識高揚、エルネット連帯視聴の促進、生涯学習コミュニティ形成を狙ってエルネット手帳をパソコンで制作、配布した。またエルネットクラブ徳島の公式ホームページも開設した。
 

エルネット手帳
   
  エルネットクラブ徳島のホームページ
   
10.アンケート結果
  3回の講座から、延べ35名(男性11名、女性24名)の回答が得られた。回答者の平均年齢は58.8歳であった。結果は以下の通りである。
   
  <全体的なことについて(A)>
  1.エル・ネット「オープンカレッジ」をこれまでご覧になった経験はありますか?
 
1.今回はじめて見た 43%
2.過去に見たことがある 49%
3.何度も見ている 8%
   
  4.今回のインターネット放送の画像等の品質についてお感じになったことはありますか?
 
1.音声や画質が悪くて困った 5%
2.ふつう 21%
3.明瞭で、聞きやすかった 74%
   
  5.今回の放送内容についてどうお感じになりましたか?
 
1.おもしろくなかった 8%
2.ふつう 6%
3.勉強になった 40%
4.たいへんよかった 46%
   
  6.パソコンはお持ちですか?
 
1.持ってない 3%
2.購入予定である  
3.家族が持ってる 17%
4.自分専用がある 80%
   
  7.パソコン・インターネットはどの程度、利用されていますか?
 
1.パソコンもインターネットもやったことがない 3%
2.パソコンはやっているが、インターネットはやったことがない 0%
3.パソコン・インターネットを最近はじめた 9%
4.パソコン・インターネットを利用して1年以上になる 83%
5.パソコン・インターネットの利用には自信がある 6%
   
  8.チャットの経験はどの程度でしょうか?
 
1.今回はじめてやった 2%
2.少しやったことがある 69%
3.以前から利用している 11%
   
  9.放送中、インターネットによる双方向質疑応答システムを実際に使ってみられましたか?
 
1.使わなかった 6%
2.少し使った 88%
3.大いに使った 6%
   
  10.今回のような放送中に講師へ質問できるインターネットシステムをどう思いますか?
 
1.放送をじっくり視聴する妨げになる 0%
2.操作が難しそうで気後れした 0%
3.あまり興味がない 0%
4.双方向テレビなどで声を出して質問する方がよい 0%
5.使わなかったが、やってみたかった 0%
6.便利だと思う 37%
7.操作は少し難しかったが質問などできてよかった 12%
8.たいへん有意義で便利に使った 14%
9.すばらしいので今後も続けて欲しい 29%
10.工夫してより使いやすいシステムになるよう努力して欲しい 8%
   
  11.従来のテレビ型の教育放送に比べ、放送中に質疑応答が可能な公開講座は、内容の理解や、講師との話し合いに、効果はあったと思いますか?
 
1.効果なかった 3%
2.ふつう 14%
3.たいへん効果があった 83%
   
  12.エルネットをまた視聴したいですか?
 
1.もう見る機会は無いだろう 0%
2.どちらでもない 10%
3.またぜひ見てみたい 90%
   
  14.次またエルネット放送を見る機会があるなら、またぜひインターネットによる質疑応答システムを使いたいですか?
 
1.なくても問題ない 0%
2.どちらでもない 9%
3.ぜひまた使ってみたい 91%
   
  <主として画質、進行について(B)>
  Q1 「放送番組」の進み方はあなたにとって速かったと思いますか、遅かったと思いますか?
 
1 遅かった 0%
2 どちからというと遅かった 2%
3 適当だった 91%
4 どちらかというと速かった 6%
5 速かった 0%
   
  Q2 放送された内容で聞き逃したと思う箇所はありましたか?
 
1 まったくなかった 25%
2 少しあった 69%
3 かなりあった 6%
   
  Q3 放送された内容で再視聴したい箇所はありますか?
 
1 まったくない 9%
2 少しある 76%
3 かなりある 15%
   
  Q4 放送で使われた各種演出(字幕やパネル、取材映像)は、講義内容に合っていましたか?
 
1 まったく合っていない 0%
2 どちらかというと合っていない 0%
3 どちらでもない 6%
4 どちらかというと合っている 40%
5 よく合っていた。 54%
   
  Q5 放送中に登場した講師や出演者の話し方について、どのように感じましたか?
  (話し方)
1 聞き取り難かった。 0%
2 どちらかというと聞き取り難かった 3%
3 聞き取れた。 31%
4 よく聞き取れた。 66%
   
  (内容)
1 わかり難かった。 6%
2 どちらかというとわかり難かった 6%
3 わかり易かった 88%
   
  Q6 画面が単調だと感じましたか
 
1 まったく感じなかった 91%
2 少し感じた 9%
3 単調だった 0%
   
  Q7 日ごろ、教養・教育番組(テレビ)をどれくらいみていますか? 印象でお答えください。
 
1 まったく見ない 3%
2 時々見る 83%
3 よく見る 11%
4 連続してみている番組がある 3%
   
  Q8 「視聴された放送番組」について、良かった点や改善点など気づいたことがありましたら、以下の欄にお書きください。
 
8-1 良かった点
  声が聞き取りやすかった。
  即、文章の結果が出るので感激した。
  画面の構成がわかりやすく、変化があって、理解しやすく、楽しめた。
  家で一人見るのとは違って、受講者が多いほうが楽しい。
  自宅で再度見たり、テキストをプリントできるのがいい。
  双方向性があること。
  直接参加した講座の内容が使われているので、親しみやすいテーマだった。
  与えられる講義ではなく、受講生中心の編集になっている
  質疑応答の時間があるので、それまでの話が自分の中で整理整頓でき、とても解りやすい。
   
 
8-2 改善点
  内容が難しかった。
  画面が不鮮明だった
  チャットの発言を書き込む欄がもう少し大きいほうがよい。
  チャット以外の双方個性が確保できるシステムを考えて行く方がいいのでは。
  授業を聞きながら、チャットに参加するのに、もう少し時間がかかりそう。
  画面に対して、チャットを見る場合、横にスライドするのは見ずらいと思います。
   
 
8-3 その他
  初めての体験だたが、楽しく学習できた。
  「衛星」の強みを生かし、「どこでも発信・受信」を可能にしてほしい。
   
以下の質問項目は、アンケート用紙の印刷ミスにより、第3回の講座のみで実施された。
   
  Q9 本日の講座のような、衛星通信を利用した遠隔講座について、受講に際して受講料をが必要だとしたら、受講したいと思いますか。
 
1 受講したいと思う。 73%
2 受講したいと思わない。 27%
   
  (1と回答した場合)
  1−1 受講料は1回(100分程度の講義)あたり、いくらぐらいが妥当と思われますか。
 
a.500円以下 9%
b.1,000円 73%
c.1,500円 0%
d.2,000円 18%
e.2,500円 0%
f.3,000円以上 0%
   
  1−2 どのようなサービスを希望しますか。
 
a.著名人の講師による講義が提供される。 6%
b.講師との質疑応答の機会が確保される。 56%
c.より充実したテキストが提供される。 22%
d.修了証の発行や生涯学習単位の認定が行われる。 6%
e.資格を取得する際に利用できる。 11%
f.大学の正規の単位が趣得できる。 0%
g.その他 0%
   
  (2と回答した場合)
  2−1 どのようなサービスが付加されれば,受講料を支払っても良いと思いますか。
 
a.著名人の講師による講義が提供される。 17%
b.講師との質疑応答の機会が確保される。 32%
c.より充実したテキストが提供される。 17%
d.修了証の発行や生涯学習単位の認定が行われる。 17%
e.資格を取得する際に利用できる。 17%
f.大学の正規の単位が趣得できる。 0%
g.その他 0%
   
  2−2 上記のようなサービスが付加された場合,受講料は1回(100分程度の講義)あたり,いくらぐらいが妥当と思われますか。
 
a.500円以下 33%
b.1,000円 33%
c.1,500円 0%
d.2,000円 33%
e.2,500円 0%
f.3,000円以上 0%
   
11.まとめと今後の課題等
   アンケート結果から明らかなように、本講座では、受講生らは大変熱心に学習し、3回とも満足度の高い講座となった。
 このことには、リアルタイム質疑応答システムを用いたことが大きく関係しているように推察された。講座中、講師との対話が絶えまなく起り、受講生の質問に受講生が答えるといった場面もみられた。また、その対話内容から、楽しい雰囲気で学習が進み、建設的な意見交換や新しい発見を得た受講生が多くいたように見受けられた。
 一方、とくしまITビレッジ会場(定員30名)に来場した受講者数は20名前後に留まった。その要因としては、エル・ネットオープンカレッジが県民に十分には知られていない面があるのではないか、徳島県には生涯学習センターや視聴覚センターがなく、やりにくい面がある、講座の開講時間が平日の午前中であり、時間的に受講可能な県民が限定されたことは否めない(1月11日、土曜日に実施された事前練習会には会場の定員を大きく上回る参加者があった)、などが考えられ、今後の課題と思われた。
 インターネットとの種々連携があったことはエルネットオープンカレッジの視聴に色々な付加価値をつけたように推測された。ひとつは、本講座が放映中、インターネット中継、そして、放映後、オンデマンドサービスされたため、仕事や家事、あるいは、遠隔地ということで当日会場に来ることができなかった人がインターネットを通じて受講し、他会場や他県の受講生との交流が実現したことは画期的な成果といえる。また、専用のWebサイトを立ち上げ、講座案内や事前学習の材料、資料、テキストを提供・公開したことは歓迎された。専用サイトには、講座終了後の今でもアクセスがあり、エルネットオープンカレッジの学習基盤となるものと感じられた。
 事前練習会、自主勉強会の組織化、エルネット手帳配布といったイベント開催やグッズ配布は学習への意欲を高め、集合型グループ学習を効果的に進めること、学習コミュニティの形成等に有効に作用したと感じられた。遠隔映像講座を視聴するための基盤作りの大切さということであろう。
 移動式受信機については、今回の講座において、徳島県では初めての試みとして注目を集めたが、3回の講座毎に設置と片づけが必要であり、正直なところ手間ではあったが、慣れるとともに、技術的にも労力的にも簡単に設置することができた。
 移動式受信装置により、いかなる施設でもエルネットオープンカレッジが開講、視聴できることは高く評価できる。この受信機を有効に活用するためには、次のような課題を解決することが望まれる。アンテナとデコーダーだけであるにもかかわらず、一人で設置するには無理な形状の箱に収められており、小規模な公民館等では苦労する可能性がある。設置後のアンテナの転倒事故防止のための箱ということもあるかとは思うが、ものものしい大きな箱に入れる必要は必ずしも無いのではないか、衛星等の知識のない者が設置する場合を想定し、アンテナの方位合わせのための道具(方位計やハンディなレベルメーターなど)を貸し出すようなことも検討の余地がある。