第3章 モデル事業

2.公開講座のタイプ
推進委員会委員
浅井 経子
   今回の実験的研究では、「連携型」「メニュー選択型」「新規開発型」の3つのタイプを設定し、さらに「連携型」を「受講者企画型」「施設企画型」「大学企画型」のタイプに分けて事業を行った。それぞれのタイプの内容は次のようになっている。
(1)連携型
  特定の大学と連携をとり公開講座を開催する。その方法としてエル・ネット「オープンカレッジ」を利用する。
    1)受講者企画型:受講者の代表(ボランティア)等が公開講座の企画に参加して実施する。
2)施設企画型:施設が中心となって、公開講座を企画する。
3)大学企画型:大学が中心となって、公開講座を企画する。
      単独型:大学単独で実施
大学間連携型:複数の大学が連携して実施
       
(2)メニュー選択型
  従来から公民館等で施設独自の講座を開設していたが、効果向上のためエル・ネット「オープンカレッジ」が提供する講座を加えて実施する。
       
(3)新規開発型
  エル・ネット「オープンカレッジ」の提供講座を活用して新しい学習活動を展開する。
  *留意事項 上記以外のタイプも考えられるので、これを参考にしての追加も可。
放送番組については、子ども放送局等の番組の利用も考慮する。




1)受講者企画型 (該当事業なし)
2)施設企画型 エル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業実施委員会(秋田)
千葉大学講座において、講師が講義を行った東京会場(国立科学博物館)と、秋田会場(秋田県総合教育センター/VSAT局)とを結び、エル・ネットによる双方向質疑を実施。秋田県内に設置した2つのサブ会場からは、ファックスで秋田会場へ質問を送った。
いしかわエル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業実施委員会
生涯学習フェスティバル「第9回高齢化社会参加フォーラム2002in石川」の賛助講座として、平安女学院大学講座を活用。また、石川県立社会教育センターで開催された「社教フェスタ」の1プログラムとしても組み込んだ。講師が講義を行っている国立科学博物館と、石川県立社会教育センターとをテレビ会議システムで結び、双方向質疑を実施。
3)大学企画型 単独型 常磐大学エル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業実施委員会
常磐大学コミュニティ振興学部の正規の授業を、エル・ネット「オープンカレッジ」公開講座として実施。また、新たな取り組みとして、講座を常磐大学で一般の方20名に受講していただいた。
愛媛県エル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業実施委員会
愛媛大学講座を大学独自収録し、愛媛県総合教育センターVSAT局から発信。県内3つの受講施設で、愛媛大学公開講座を実施。最終回では、録画番組放送後、ライブ放送に切り替え、ファックスで受け付けた受講者からの質問に対して、講師がリアルタイムで回答した
徳島大学エル・ネットオープンカレッジモデル事業実施委員会
徳島大学のパソコン・インターネット活用総合学習講座「ホノルルマラソンをインターネット中継しよう」を大学独自収録によりコンテンツ化し、エル・ネット「オープンカレッジ」の講座として開講。エル・ネットの放送とともに、インターネット上でのストリーミング配信、インターネットチャットを用いたリアルタイム質疑応答、ならびに受講者間交流を実施。
沖縄県エル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業実施委員会
琉球大学講座を沖縄県教育委員会との連携による高大連携事業として実施。沖縄県総合教育センター(VSAT局)に高校生を招いて実際に講義をし、その様子を大学独自で収録、編集した。エル・ネット「オープンカレッジ」放送当日は、録画番組放送後、ライブ放送に切り替え、サテライト会場で視聴している高校生と電話による質疑応答を実施。
大学間連携型 宮崎・島根エル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業実施委員会
宮崎大学と島根大学との連携によって、5回の連続講座『日本文化の源流を探る−日向と出雲の神話と芸能』を制作。最終回には、宮崎会場(宮崎市教育情報センター)と島根会場(島根大学)とをテレビ会議システムで結び、全講師によるパネルディスカッション、ライブでの双方向質疑を実施。
〈メニュー選択型〉 泗水町エル・ネットモデル事業実施委員会
泗水町中央公民館では、週2回程度、エル・ネット「オープンカレッジ」を活用し、メニュー選択型の講座を展開している。淑徳短期大学講座では、テレビ会議システムを利用して、講師が講義を行っている国立科学博物館と泗水町中央公民館とを結び、双方向質疑応答を実施。
〈新規開発型〉 「にいがた連携公開講座」実行委員会
VSAT局のない新潟県でのエル・ネットへの送信方法を探った。新潟大学講座を新潟大学からSCSでアップリンクし、岐阜大学で受信。地上回線で岐阜県総合教育センターに送り、エル・ネットに再アップリンクした。つまり、SCSとエル・ネットを連結して放送した。
「しずおか連携講座」実施委員会
VSAT局の静岡県総合教育センターから、静岡大学講座「やきもの考古学」を発信。録画番組放送後、ライブ放送に切り替え、静岡県総合教育センターにいる講師と、香川県教育センター(VSAT局)にいる受講者との間で双方向質疑を実施。そこで、やきもの出土品の復元作業が実習として行われた。