. 海外訪問調査

英国調査報告
渋谷 英章

5.Swiss Cottage Central Library,London Borough of Camden(スイス・コテージ中央 図書館、カムデン)(写真6)

〔訪問日〕2004年3月3日
〔面談者〕Mr.Mark Osterfield, Library Group Manager


写真6 
Swiss Cottage Central Library の外観
写真7 
学習センターのコンピュー タを利用する住民
写真8
コンピュータ利用の順番待 ち登録画面(氏名とコンピュータ番号が掲載される)
 カムデンに13の図書館があり、訪問した図書館はこの地区の図書館を統括する中央図書館である。1964年に開設されたが、2年前に改築され、顧客中心の設計が工夫されている。たとえば、1階には利用頻度の高い分類の書籍や、CD、DVD、児童書を配架し、時間がない利用者は1階だけで済ませることができるようにし、2階には残りの蔵書を分類番号順に配架してある。

 ほかに2階には閲覧セクション、コンピュータを配置した学習センター、カフェがある。コンピュータは学習センターのほかに閲覧セクションにも配置され、図書館全体では60台のコンピュータ端末がある。フルタイムの職員は28人であり、パートタイム職員を含むと150人ほどになる。そのうち3名がSenior Librarianである。図書館のウェブサイトにアクセスすれば、自宅から蔵書検索・貸し出し予約を行うことができる。また、移動図書館や来館が困難な住民には自宅に貸し出す本を届けるサービスもある。このほかに、学校図書館サービスを実施しており、学校教員に教材キット(本だけでなく玩具や服などの教具を含む)を貸し出し、アドバイスも行っている。学校はこのサービスに対し利用料を支払う。閲覧と図書の貸し出しについては無料であるが、DVDなどの貸し出しには少額の料金(ビデオで新作が3日間1.5ポンド、旧作ビデオと音楽テープが3日間50ペンス、DVDが3日間で2ポンド)を徴収している。

 学習センター(UK Online Centre)のコンピュータ利用は、利用希望者が多いためにひとり1回1時間の使用に制限している(写真7)。使用料は無料であるが、将来は1回1ポンドの料金を課すことが考えられている。訪問時は平日の昼間であったが順番待ちであった。順番待ちもコンピュータに登録する(写真8)。このような個別利用のほかに、学習センターはBasic Skillsである識字や計算の講習、第2言語としての英語の講習などを開催している。