.国内における最新の学習資源提供機器利用調査

教育活用実践事例調査(7)
〔教育機器・システム〕 《e-ラーニングなどインターネット利用遠隔教育》
〔ソフトウェア〕 《e-ラーニングシステム》

WBTの評価システムを用いて児童の学力を詳細に分析する

(1) 機器機能
   「学習」「教材作成」「成績管理」をサポートするe-ラーニング。教材作成や評価などに細かく配慮し、かつ、問題も簡単に作成、成績の詳細な分析も可能。

(2) 教育機関の概要
   滋賀県大津市立瀬田小学校 全校児童約600名。

(3) 活用目的
   今まで小学校における知識ベースの評価は、主に紙メディアと教師の手作業で行われている。しかし、単純な採点や集計作業に教員のマンパワーを振り向けるのは効率的ではない。そのような単純作業はシステムで処理をし、児童との面談指導や作文の添削、評価システムで得られたデータを元に今後の指導方略を立案するなど、創造的な仕事に教員のマンパワーを使うことが肝要である。
 インターネットで問題を共有することにより、指導者の課題も同時に分析することができる。他地域の学校間で比較することにより、教える側のどこに問題があったのか分析し、ひいては教員の専門性や技能をより向上させることができるのである。このような目的のもとに本システムを利用した。

(4) 活用概要・対象者
   学習終了後に、総合的な評価を行い、一人ひとりの児童の持つ課題を見つける。5年生112名。

(5) 実践内容
   「倍数と約数」「最小公倍数と最大公倍数」等の単元は、数の意味を理解する上で、大変重要である。ゆえに、児童のつまずきを発見し、学習方策をたてる。

(6) 学習効果
   このソフトには、学習者個人や問題別、学習者全員別など、多くの学習結果を分析する画面(図)がある。SP表*によって、問題の質を分析し、学習者全体の能力をプロットして表示。集計された多様なデータをCSVファイルに出力する機能も持つ。成績結果を出力して、成績別のチャートに表すと、児童一人ひとりの課題が見えてくる。教師は、このデータを元にして、児童の学習課題に応じた指導方略を立案することができる。また、データを分析していくと、これら項目別結果分析のチャートから、学習課題別のいくつかのパターンがあり、このパターンごとにグループ化されることも分かってきた。
*Student-Problem score table テストの高得点順、および項目の正答者数の大きい順に被験者と項目を並び替えたテストの正誤パターン一覧

図・学習結果を分析する画面と教師による所見


(7) 利用可能な活動と利用上の留意点
   他教科で、知識ベースの学力に関する評価にも利用可能。ただし、本システムですべての評価を行うのは不可能であることも十分認識しておくべきである。

(8) 報告者
   滋賀県大津市立瀬田小学校教諭 石原 一彦

(9) 資料提供
   富士通株式会社 http://www.navigware.com/
 機器型名 インターネットナビウェア