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はじめに

 文部科学省における衛星通信を利用した教育研究への取り組みについては、大学等の高等教育機 関を対象とした「衛星通信大学間ネットワーク事業−スペース・コラボレーション・システム事業 (SCS事業)」、「東京工業大学を中心とした大学間等連携事業(東京工業大学と一橋大学間との交換授業、東京工業大学と高等学校との高大連携授業等)」が積極的に展開されております。

 一方、生涯学習への衛星通信の利用に関しては、平成8年度から3年間にわたり実施した「衛星通信利用による公民館等の学習機能高度化事業」の成果をふまえ、「教育情報衛星通信ネットワーク高度化推進事業」が平成11年6月から開始されました。この事業は、文部科学省と全国の社会教育関係施設等を衛星回線で結び、各種の教育プログラム、研修プログラム等を提供することにより教育の充実、情報化を推進しようとするものであります。

 また、平成13年10月には、当協議会が文部科学省からの委託を受けた「衛星通信を活用して大学の公開講座を広く全国に提供する総合的システムを構築するための調査研究」を実施するため、新たに調査研究会(座長:末松安晴国立情報学研究所長)を設け、調査研究の結果を平成16年3月に、別途『衛星通信を活用して大学の公開講座を広く全国に提供する総合的システムを構築するための調査研究(報告書)』として取りまとめたところであります。

 「エル・ネット高度化推進事業」を進めるにあたり、学識経験者等及び社会教育経験者、視聴覚教育・衛星通信教育関係者等からなる高等教育情報化推進協議会を設け、文部科学省の委託を受けて、その具体的な実施内容、実施方法、運用体制、推進方法等について検討をしてまいりました。

 平成15年度のエル・ネット「オープンカレッジ」では、従来からのモデル事業に加え、ボランティア企画型の事業展開、ビデオライブラリー機能を備えた拠点施設の設置などを含む実験的研究を行うとともに、番組評価、広報、モジュールコンテンツ化について委員会を設け、今後の展開に向けた検討をいたしました。

 『エル・ネット「オープンカレッジ」について(第5年次報告書)』をとりまとめるにあたり、この事業が我が国の社会教育の発展のみならず高等教育の発展に役立つよう、念ずるものであります。

 

 平成16年3月

高等教育情報化推進協議会会
会長 井内 慶次郎


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