平成15年3月に、エル・ネットのデータ送信機能を利用したコンテンツ配信システムの運用を始めた。このシステムは、エル・ネット用デジタルCSチューナー(IRD)に接続したデータ受信パソコンに対し、受信局からのリクエストに応じたさまざまなコンテンツを配信するものである。これによって、それぞれの受信施設は、システムに蓄積されているコンテンツを必要に応じて取得することができるようになった。
エル・ネット「オープンカレッジ」では、このシステムに対応して、今年度新規収録講座の中から13講義を抽出し、パソコン画面で受講できるように、1)「MPEGムービー」、2)「PDF+ムービー」、3)「PDF+音声」の3つの仕様でモジュール化し、配信システムに登録した。講座の抽出に当たっては、以下の点を基本的要件とした。
bモジュール化コンテンツ選択の基本的要件
・モジュール化に必要な章立てが明確である。
・モジュール化についての著作権者の了解がある。
・モジュール化に際して、コンテンツに肖像権・著作権等権利処理に問題がない。
以上の要件より、平成14年度新規収録全講座より、18講義を抽出した。
bコンテンツ制作の基本的要件
1)MPEGムービー化対象コンテンツ
=重要なテキスト・図版資料等がほとんどなく、講師の話と豊富な資料映像が中心である。
2)動画付きPDF化対象コンテンツ
=テキスト・図版資料があり、講師の話と資料映像が豊富にある。
3)音声付きPDF化対象コンテンツ
=テキスト・図版資料があり、講師の話が中心である。
以上の要件より、18講義のコンテンツ内容を検討の結果、13講義を制作対象とした(表・192頁参照)。以下は、コンテンツ制作の基本的な考え方(仕様設計)である。
bモジュール化の仕様
コンテンツ内容・章立てに応じて、モジュール化する。1モジュールの容量は、50〜200MB(動画5〜20分)を基準とし、最大400MB(動画40分)とした。
1)「MPEGムービー」の仕様
・MPEG1 / 1411200bps (固定ビットレート)
・フレームサイズ:352×240
・フレーム縦横比:4:3
・フレームレート: 29.97fps
・音声サンプリングレート:44100Hz
・16bit / ステレオ
2)「PDF+ムービー」の仕様 / .mov
・クイックタイム / Sorenson Video 2
・15fps / 224×168 / 24bt
・音声 11kHz / 8bit / mono
3)「PDF+音声」の仕様 / .mov
・クイックタイム
・11kHz / 8bit / mono
b再生・表示必要ソフトウエア
1)「MPEGムービー」:Microsoft Windows Media Player 6.0.4以上
2)「PDF+ムービー」:Adobe Acrobat Reader 4以上、
およびApple Quick Time 5以上
3)「PDF+音声」:Adobe Acrobat Reader 4以上、
およびApple Quick Time 5以上
なお、上記ソフトのうち、2)、3)の対象講座モジュールには、受信局の再生環境を考慮して、Adobe Acrobat Reader 5およびApple
Quick Time 5をバンドルする。
(なお、Quick Timeは、PDF表示のバッググランドでムービーまたは音声を再生するエンジンとして必要。)
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